2011年6月15日水曜日

「米国債を売れ!」だって。

先週の週刊エコノミストの表紙です。























「米国債を売れ!」
(1)復興財源に外貨準備を活用せよ 根津 利三郎
(2)ラインハート女史も提言 「有事の備えを今こそ使うべきだ」 松浦 肇
(2)図解 Q&A 外貨準備は何のため、運用方針、資産と負債… 編集部
(3)政府は外貨準備の8割を売却せよ 谷内 満
(4)変動相場制の国に外貨準備は必要ない 高橋 洋一
(5)反論 外貨準備を減らせば円高になる 榊原 英資



外貨準備どーするのよ、、という特集らしいのでそりゃそれでいいのですが。

他の人はいいとして、先頭のこれみて興味が・・。

復興財源に外貨準備を活用せよ

外為特会の外貨準備を崩して復興資金に当てればいいじゃないの、、という話。
ワイドショーや週刊誌とかならスルーですが、いちおう経済誌専門誌。裏技発見か!?
と期待して読みましたよ。
この寄稿者は富士通総研の人。たぶん最近流行りの「専門家」。

(いちおう補足)
ワイドショーとかでは、米債売れとか言ってる人はよく見かけるが、以下を無視してると思われる。
貸借対照表の資産の部(借方)にある米国債などの外貨準備(資産)は、資本の部(貸方)の政府短期証券とバランスされてる。
早い話が、政府短期証券という国債だして米国債を買うという円キャリートレード状態、しかも多分含み損状態の巨大ポジ
の損切り。
裏技でもなければ、米債を売るのはいいが政府短期証券返済、単なる損切りで意味ないでしょ、、というもの。


読んでみました。もちろん立ち読みです。
この人、さすがに政府短期証券のことにも触れてました。

で、それは以下のような内容。がっかりというかちょっと引きました
・元々、外為特会の貸借対照表は(レートが変わるので)損益の調整処理のようなものをやってる(値洗いですな)のでバランスしない、
・だったら全部売ってもそれでいいじゃないの。
・それが嫌とか煩いこというなら政府短期証券を普通国債に転換すれば良い、と。

ハァ??それって、、。
だったら普通に国債を増発すればいいじゃないの、単にややこしくするだけでしょ。。

外為特会の外貨準備の圧縮(=巨大円キャリー解消)は別の問題としてとしてあるとは思うがいまやる必要ないよね。こちらは高橋洋一さんとかの記事(介入自体意味ないよ、必要なのは国内金融政
策でしょ)などはそう思うけども周知の主張。

バカバカしい記事で(他の人の記事は普通の記事)、寄稿する方もどうかと思うけどこれを特集記事に採用する方も(しかも先頭に)どうなのよ、と思うのは私だけでしょうか。

何か得体のしれない目的があってバカなふりなのでしょうか。
福井元BOJ総裁も腰掛けた富士通総研フェローの寄稿と毎日新聞ですから、、油断しちゃだめ?



まぁ、がっかりです、いつものことですが。
とりあえず立ち読みにしといてよかった。実被害なし。

WSJやFTでもこういう記事あるんだろうか、英語もっと勉強しとけば良かった。
というか日本の将来が益々心配に。


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追記

「(2)ラインハート女史も提言 「有事の備えを今こそ使うべきだ」 松浦 肇」について
ビンセント・ラインハート元FRB金局長へのインタビュー記事だが、
「日本政府はどえらい資金調達能力が高いのに活用まったくできてない(ふたい化のこと)」
「低利回りの米国債よりは復興に投資した方がいいに決まってるだろ」

 「(4)変動相場制の国に外貨準備は必要ない 高橋 洋一」について
必要かどうかはさておき、外為特会は利権の温床になってるという指摘はなるほどと。

なお榊原氏は反論サイド。

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