2010年11月16日火曜日

FX-Option のガンマトレードの実験(その4:ガンマの特性1)

今回はウンチク編です。

今週も昨日月曜のアサイチから実験してます。
今週はやや外のOTM(Out of The Money)で満期が今週末のものを選択。
通貨は先週に続いてEUR/USD。
11/19 24:00(JST)満期のCallの1.38で、IVは17%(←高い)からの苦しいスタート。
Callを20枚LongにSpotを6.7枚Shortでデルタはフラット。

昨日は上下に120ポイントほど離したとこにデルタヘッジ用のSPOT注文(上がるとSPOTを売りましナンピン、下がるとSPOTを分割利食い。量はズレたデルタがフラットになるように予め計算しとく)。
今朝(火曜日)起きると、数ポイント届かずの1.3565(Ask)が昨夜の安値だったようです。
已む無く30ポイントほど上昇したところでデルタヘッジをかけときました。
IV(Implied Volatility オプション買ってるのでこれが下がると収益マイナス要因)も下がり、かなり悲しい状況。

さて、本題のガンマ収益の特徴

120ポイントも離さずに60P刻みとかで細かくヘッジを重ねたらどうなんでしょうか?
単純に120ポイントで1回のデルタヘッジと60ポイントで2回のヘッジの収益の比較。
結論は、120ポイント×1回の収益は60ポイント×2回の収益の約2倍になります。

なぜ?かは図を書きながら説明するのが分かり易いのですが手抜き図で説明すると、
Callのプレミアム(価格のこと)は、原資産価格(EUR/USDのSpot価格)が下がれば下がり、原資産価格が下がれば下がりますが、横軸に原資産価格、縦軸にCallの価格という図を書くとCall価格は直線ではなく曲線になります。



黒い曲線がCallだとすると、その傾き(赤い直線)がデルタ。赤い線は1本しか引いてませんが各所で傾きは変わります。SPOT価格が変化したときデルタがどのくらい変化するのかがガンマです。
昔習った速度と加速度のような関係です(SPOT価格が時間でCall価格が距離)。








次に接線をもう1本引きます。赤い線の傾きが①でのデルタ、黄色っぽい線の傾きが②でのデルタとします。
スポット価格は①~②、②~③が60P差で①~③が120P差。

(1)Call価格の曲線、赤い直線、③の直線
(2)Call価格の曲線、赤い直線、②の直線
(3)Call価格の曲線、黄色直線、③の直線
のそれぞれに三角形っぽい隙間がありますがこれに注目。





なんでなの?は省くとして(赤い線や黄色いい線と目線を水平にしてデルタフラット目線で見れば直観でわかると思いますが、この図だけでは上手く説明できないので、また今度・・・。)、

値幅が120P程度であれば、この三角形っぽい隙間面積がざっくりのガンマ収益です。
120P×1回のデルタヘッジだと収益は(1)、60P×2回は(2)+(3)
どちらがデカイでしょうか?(1)の方がデカイです。


なお、(2)と(3)の面積は、図が適当なので(2)<(3)に見えますが(場合によるが)ザックリ同じです。①→②→③の2回ヘッジも①→②→①の行って来いの2回ヘッジもガンマ収益は似たようなもの。


次に、じゃぁ120×1回と60P×2回はどれくらい違うの?を説明。
これまたザックリの概算の式ですが、
SPOT価格の価格変化をΔSとすると、ガンマ収益=(ガンマ)/2×(ΔS)×(ΔS)
イメージ的には(ちょっと違うのはさておき)、三角形の底辺が(ΔS)で高さが(ガンマ)×(ΔS)、三角形の面積は底辺×高さ÷2。

仮にガンマを2とすると
スポットが120P動くと、14400(=120×120)
スポットが60P動くと、3600(=60×60)でこれが2回で7200
ヘッジ1回あたりのガンマ収益はSPOT値幅の2乗で効いてくる
当然ながら狙う値幅が大きいほど回数は減るので値幅が2倍になれば収益2倍、半分なら収益も半分。

そうか我慢すれば収益は増えるのか?
そりゃそうです。ガンマならぬガマン・トレーディング、おっしゃる通り。
ですがヘッジ(指値)が入らず行って来いだとガンマ収益はゼロです。
で、その間のタイムディケイ分が損。揉めばIV下がるでしょう。

一方通行で120P幅動くのか、60P幅で激しく上下するとよんで4回ヘッジが可能と考えるのか、それとも1/3押しを作って90Pずつ、もしくは90P行って来いで行くのか(90P×2回なら120P×1回より収益大)、、、、。


じゃあ、どれくらいの値幅でヘッジをかければいいんだ?
それがわかれば苦労しないです。
この辺は相場観になりますが、少なくとも日に1回はデルタヘッジをしてデルタを調整しておきたいと思うのが人情。
その際の適切な値幅の目安という話ではありませんが、これくらいでヘッジをかけると、1回のヘッジでその日はイーブン確定というノルマ的な値幅はあります。
そしてこれが原資産(SPOT)の値動きに影響を、、、というのが私の妄想。
オプションにはタイムディケイというものがあり時々刻々とその価値が下がります。

こうしてる間もEUR/USDは寂しい感じの値幅で揉み合ってますが、
すぐ終わると思ったら思わぬ長文になってきたので、ノルマ的な値幅については次回に。

(次回に続く)

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