2009年11月24日火曜日

ボリンジャーバンドの謎(驚愕の?事実編)

--- (わかりにくいので追記)サマリー -----------------------------
BBandの1σ以内に68%とか全くそうなりませんよ、数えてみましょう
そもそも、正規分布じゃないものの標準偏差は無意味
(と、著者も言ってるヨ)
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今日は統計の本(数式が出てこない読み物系)を読んでたので、
今夜は、ボリンジャーバンドについて考えてみました。

考えてみたけどよく分らなかったので検証してみました。
ボリンジャーバンドの±1シグマ以内に(終値は)68%が収まるの?
使ったのは、
・年初来の日経平均株価(現物指数)の日足終値。
・移動平均20日間ボリンジャーバンド。

終値がボリンジャーの±1シグマにどれくら収まるのか、数えました

図は、「終値~20日MA」の差を(過去20日から算出した)シグマに換算するとどうなるのか?



結果は±1シグマに収まったのは68%に足りません。58.2%でした。
10%近くも少ないです。サンプルは200日程度なので少なくはないと思いますが。
またもや都市伝説系かよっ!!

でもなんで??
べき乗だから?
株価は対数正規分布だから??
もすかすて計算ミス??






ファットテイルだから。なんて便利な言葉で納得せずもう少しやってみる。

けど、やっぱりよくわからないので、次は、あまり深く考えずに
終値比率(当日終値/前日終値)とその20日平均、および標準偏差(1シグマ)を算出。
対数はとってません。結果的には対数計算といっしょの気もしてるがよーわからん。
上記のボリンジャーときと同じくシグマ換算して分布を見てみました。




67.6%になりました。
バッチリです。













たまたまなのか、数学的に当然なのか、私にはよくわかりません。
が、、年間に50%も変動するよーなときは、差(足算・引算)で考えるよりも比(掛算・割算)で
考えた方がいいんじゃね?と思いました。

日足以上では比率で考える。(比率表示になってるので)チャート類も対数チャートを使う。ってのがいいんじゃないでしょうかね。
(indicator類は大抵の場合は比率じゃないので意味ないかもしれないけど。)
とりあえず、ボリンジャバンドは逆バリってぇのはやっぱり(?)辞めた方がいいと思う。
1シグマも2シグマも。MA系で逆バリなら乖離率の方がいいような気がする。

(例によって)余談:
冒頭に書いた統計の読み物系本に、アドルフ・ケトレーという人の話が出てました。
19世紀前半(まだ江戸時代だよ)の天文学者なのですが、統計的な手法(当時統計学は未だ確立されてない)を使って、「社会物理学」なるものを研究したとか。
ん?「社会物理学」??どっかで聞いたよーな覚えが。
そう、わりと最近はまってる、マーク・ブキャナン氏の著書 のサブタイトルに出てくるんですよ。
微妙に違いますが、突き詰めると似たような考え方。
おぉー!なんて思ってしまいました。
そして、ケトレーから統計を学んで活用しまくった人がかの有名なナイチンゲールなのだそうです。
wikiにも看護師、社会起業家、統計学者、看護教育者とあり驚いた次第です。
ナイチンゲールのような統計という道具の使い手になりたいものです。
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「つまり統計学はあなたが立てた仮説が正しいかぎりにおいて、それを証明することができるのであり、仮説そのものを統計学が教えてくれることはありません」by筑波大の先生
道具は道具、そして道具はちゃんと使え!そうすりゃ100人力だ!ってとこでしょうか???


本文よりも余談が長くなってしもうたわい。

追記(11/24)

素面になって考えてみると、やっぱり数え間違い(計算間違い)の気がしてきた。飲酒検証なもんで。
そのうち再度検証してみます。


追記(11/24夜)
気になったので、EXCELとか使わずにそのまんま楽天証券のチャート画面上でカウントしてみる。
期間は昨夜(上記)に同じ。
日足の場合、初期値が25日なので20日に変更して終値が上下緑のラインに囲まれたとこを
数える。(ぱっと見で、半分以下ってのはわかるんだが。。。)
ボリンジャーバンドのシグマの求め方にも色々ありそうなのはわかるが
ど、ど、ど、うなっとるんじゃ?いったい???
±1シグマに収まるのは約40%程度
(楽天証券の日経平均でのケース)













気になったので、松井証券でも数えてみる。
アホらしくなってきたので、適当に雰囲気で数えた。
結果は、50%以下。いったいどーなっとるんじゃ???
前日のまでのものを先行させてるわけではあるまいに。(だって場中に動くよね、日足ボリンジャー)
ほかにもFXを含めて眺めてみたが似たような感じ。
セミナーとかボリンジャーバンドは統計的手法云々のもっともらしい話が出たら、ぜひ聞いてみましょう。「数えてみてください!」って。
ボリンジャーは統計学の標準偏差とは似て非なるものだと言えば、そりゃまぁそうだが、だったら、、、ねぇ。
個人的にもともとBBとかは見てないので関係ないですが、BB好きな方は教科書どおり(?)順バリに使いましょうね。
100年に1度だから。ということでは、ない。





なお、EXCELには間違いはなかったと思うが計算方法によっては68%になることは
わかってるが、それは恐らく一般的なボリンジャーではないだろう。と、思う。
前日比(差でもいいと思う、たぶん)をボリンジャーバンドにかければOKの気がする。どうしても移動平均を使いたければ、乖離率のボリンジャーバンドを使えば概ね正規分布の標準偏差が使えるのでは?とも思う。
その辺の詳細検証は、解決編にてそのうち。

4 件のコメント:

umasashi-basashi さんのコメント...

BBは順張り。
逆張るなら乖離率。

これは本当に王道だと思いますわ。
意外に混同してる人が多いっす。

はたふり川 さんのコメント...

BBは、謳い文句の統計云々の説明をそのまま間に受ければ混同するのも無理ないですよ(笑)
私自身、数えて初めて気がつきました。

スクイーズ さんのコメント...

ボリンジャー本人も原則として正規分布しないと言っていますよね。
誤解されてしまっていることを嘆いています。
一方で、中心極限定理により正規分布する部分集合もあるとも言っています。
つまり、正規分布に従わないパターンなら順張り。
反対に、正規分布に従うパターンなら逆張り。
正規分布に従う/従わないの見極めもBBで出来るので、とても優れたテクニカルです。

はたふり川 さんのコメント...

スクイーズ さん

こんばんわ。今、コメントを読みました。
今日は続編を書いてました。
http://hkawa.blogspot.com/2009/12/blog-post_08.html
順張りも逆バリもテクニカル「指標」は(も?)当たるも八卦の世界と思ってますがホントのところは永遠に不明っぽいです(笑)